お月見、してますか?
日本人ほど月が好きな民族はいないのではないかと思うのが、月に付けられた名前の多さから。特に十五夜、名月には、あいにく雲の向こうなんて晩にも、「無月(むげつ)」と命名。さらに、雨が降っていても「雨月(うげつ)」と呼びます。見えない名月にまで名前を付けた私たちの先人です。
翌日の十五夜を待ちかねて見上げる前の晩、旧暦十四日のお月様には「待宵(まつよい)」とロマンチックな名前が付きました。
そして名月から一晩あと、十六日の月には十六夜(いざよい)の名が。
月の出が少しずつ遅くなるのを恥ずかしがっているさまととらえる日本人の素晴らしい感性です。
それから、一晩一晩欠けていく月にそれを惜しむかのように・・・
十七日が立待月(たちまちづき)。
十八日が居待月(いまちづき)。
十九日は臥待月(ふしまちづき)・寝待月(ねまちづき)
二十日が更待月(ふけまちづき)と、まさに月の出を待ちわびる人の姿になぞらえているのです。
月は文学といった人がいます。月は「観る」といわず、「読む」といった日本人。私たちもその感性に習いたいものです。雲に見え隠れする今宵の月。まさに文学的だと思いませんか。