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【小さな小さな旅9月で拝見する「アマデウス」について】〜その2
戯曲「アマデウス」の魅力は、なんといっても知的好奇心をくすぐるところにあると思います。クラシック音楽ファンの間で大きな謎とされているのが、モーツァルトにその遺骨を埋葬した墓がないこと。その謎に対するひとつの仮説が、戯曲「アマデウス」のストーリーなのです。

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c0151691_17585388.jpg1874年、ウィーン市内にあった5つの墓地が集約され、広大な中央墓地が誕生。歴史に名を残した音楽家たちもこの中央墓地の名誉墓エリアに集められています。ベートーベン、シューベルト、ブラームス、ヨハン・シュトラウス、ピアノ教則本のツェルニー、などなど。そして戯曲「アマデウス」の主人公、サリエーリもここで永遠の眠りについています。しかし、その中にあのモーツァルトの名前はありません。1791年に35歳の若さでこの世を去ったモーツアルトは、数々の名曲、オペラを残したにもかかわらず、一般庶民と同様に共同墓地に葬られました。天才の名をほしいままにしたモーツアルト、他の作曲家たちとの扱いの差が現在も大きな謎とされているのです。

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モーツァルトの死の謎に一石を投じた「アマデウス」。戯曲のストーリーとして描かれているのが、「サリエーリによるモーツァルト暗殺説」です。サリエーリは、モーツァルトと同時代に生きた作曲家。1781年、25歳でウィーンに定住したモーツァルトは、そこで当時宮廷楽長だったサリエーリと出会っています。幼少の頃から神童としてヨーロッパ中を演奏旅行するなど、その名前はすでにウィーンでも知れ渡っていました。ウィーンでの地位を獲得していたサリエーリはじめイタリアから招かれていた音楽家たちは、モーツァルトの才能に驚愕。やがて嫉妬が生まれ、妨害活動に発展。ついには、サリエーリによって死に追いやられていく、というのが戯曲「アマデウス」での筋立てです。

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もちろん、この「アマデウス」のストーリーがモーツァルトの死の謎を解く決定的な答えではありません。ですが、まるで真実であるかのようにストーリーが進行。中世ヨーロッパの華やかな宮廷社会、そして庶民の鬱屈した生活、その光と闇がそのままサリエーリの心の中の明暗として描かれています。サリエーリの心の闇は、やがて大きくなり彼を支配していきます。そして、モーツァルトを追い詰め、死に追いやっていくのです。その遺骸は、一般庶民と同様に扱われ、共同墓地に埋葬。見送る人もないまま、墓穴に放り込まれる様子が、戯曲に描かれています。実際、モーツァルトが共同墓地に埋葬されたことは事実で、現在でもその遺骨は特定されていないのです。

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モーツァルトの死の謎に迫る戯曲「アマデウス」。ぜひあなたも想像力の翼を広げて、その謎の解明に挑んでください。時代は、中世から近世へと生まれ変わろうとする前夜。ローソクの火が消えようとする直前に一番明るくなるように、爛熟した文化の灯が煌々と輝いていたヨーロッパをどうぞご一緒に旅いたしましょう。

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[画像は、ウィーンの中央墓地。向かって左側がベートーベンの墓、右側がシューベルトの墓。ともに、遺骨が納められています。中央は、モーツァルトの記念墓。業績を顕彰するためのもので、遺骨は納められていません。]

【小さな小さな旅9月「アマデウス」】
http://musashiya.exblog.jp/26796516/


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by m_katsutadai | 2017-07-24 18:01 | @店長榎戸 | Comments(0)

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