東京国立博物館・平成館で開催中の特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」展を・・・
「アラビアの道」展のテント設置は2月4日(日)まで。ぜひお着物でお訪ねください!
「仁和寺~」展は、弘法大師空海が唐留学中に経典を転記した「三十帖冊子」の公開が呼び物。唐の転記僧のものに混じって空海や橘逸勢(たちばなのはやなり)などの筆跡が含まれていて、800年の彼方にタイムスリップさせてくれます。また、江戸時代に再建されたという仁和寺の観音堂が、33体の仏像と高精細画像の壁画によってリアルに再現されています。なんと、ここは写真撮影がフリーになっていて、仏像ファンには見逃せない展示となっています。水曜日ということもあってか、比較的展示室内は空いていて、ゆっくりとひとつひとつの展示物を拝見することができました。イヤホンガイドを使ってガイドを受けながら観覧しても約2時間の所要時間、体力的にも楽でした。
東京国立博物館の「仁和寺と御室派のみほとけ」展には、全国の真言宗寺院から一般非公開の秘仏が一挙参集。お得感と言っては罰当たりでしたら、ありがたさ感満載言い換えましょう、そんな特別展です。観覧を終えて、図録のほかに一枚だけポストカードを購入。四国八十八ヶ所66番札所の徳島県・雲辺寺さんの秘仏本尊で重要文化財の千手観音菩薩坐像です。像内に銘文や願文が残されていて、勧進僧や仏師、どんな願いが込められた仏様なのかも判っています。願文には「目アゝラカニナシタマヘ」の文字、そして台座には両の目(まなこ)のイラストまで。800年前に生きた人物の切実な願いが胸を打ちます。カードは、網膜の病気で光を失いつつある友人に送るつもりです。彼の目に仏の御光が映りますように。
雲辺寺さんの観音様は3/11までの通期、展示されています。仏像には珍しく、少しあごを出し下目使いで私たちを眺めていらっしゃるお姿。遠近両用メガネをかけて本を読んでいらっしゃるように私には見えました。目の悪い方の気持ちに寄り添ってくれそうな仏様です。