巨星、落つ。。
羽田登喜男氏は、明治44年(1911)1月14日生まれ、享年97歳。一方の森口華弘氏は、明治42年(1909)12月10日生まれ、享年98歳でした。同じ時代を生き、友禅のみならず日本の工芸界に多くの影響を残したおふたりの死は、単に人間の死というだけでなく、一時代の終わりを告げる象徴的な出来事といえるでしょう。
写真左が羽田作品。右が森口作品です。羽田登喜男と言えば「鴛鴦(おしどり)」。森口華弘といえば、「梅」がもっとも有名なモチーフ。ともに、最晩年に「日本伝統工芸展」に出品された作品です。(写真は日本工芸会hpより)
羽田氏には登氏、、森口氏には邦彦氏という立派な後継者があり、羽田登氏は(社)日本工芸会の理事、森口邦彦氏は副理事長をそれぞれおつとめ。邦彦氏は、昨年、お父様に引き続き重要無形文化財保持者に認定されています。重要無形文化財に認定されると法律上の義務も発生します。それが、当該技術の錬磨、公開、そして伝承の三つ。巨星のおふたりは、後継者に自らの技術を伝えることで、人間国宝の重責を全うしたと言えましょう。
きものを取り巻く環境が大きく変わる昨今。今度は、天にあって私たちの行くべき道を指し示してほしいものです。今日は、七夕。あらためて、星にご冥福をお祈りすることにしましょう。
【7月10日追記】
珍しく早く帰り、何気なく見ていたTVニュースで3、4月に亡くなった著名人を紹介していました。その中に、天目技法の有田焼陶芸家、青木龍山氏の名が。享年81。陶芸にはとんと疎い@店長ですが、文化勲章受章や芸術院会員の重みはわかるつもり。。青木氏は、奥さまを昨年6月に亡くされていたそう。お弟子をとらず、奥さまと二人三脚で作陶を続けていらしたそうで、さぞお力を落とされ、死期を早められたことでしょう。友禅の羽田登喜男氏の場合は逆に、氏が旅立たれた四ヶ月後の6月、あとを追うように奥さまも逝かれました。これが、共に戦線を闘い続けた夫婦のあり方、逝きかたなのかもしれませんね。
今日、7月10日は、@店長の奥さまの誕生日、、、忘れてて怒れました。これじゃぁ、、ダメですね(汗、汗、)。。